毎年支払うものだから知っておきたい不動産に課税される固定資産税について

売却の税金

不動産には様々な税金がかかりますが固定資産税もその1つです。固定資産税は毎年毎年課税されますから、長期間不動産を保有している場合にはトータルでの負担額は結構大きなものになります。特に相続で空き家を相続した場合には、自分が現に住んでいる住宅と空き家の双方に課税されるので、大きな負担となります。

利用する予定のない空き家を相続などで取得した場合には、固定資産税の負担を避けるために、空き家を売却するという方法も考えられます。

毎年支払うものだから知っておきたい不動産に課税される固定資産税について

固定資産税とはどんなものか

固定資産税とは、毎年1月1日現在において、土地や建物などを所有している者に対して市区町村が課税する税金のことです。住宅を保有している場合には、当然、この税金の対象となります。

固定資産税は、毎年4~6月頃に住所地の市区町村から納税通知書が送付されてきますので、それに基づいて支払います。ほとんどのケースでは1年分の税金を4回に分けて分割して支払いますが、一括して支払うことも可能です。

固定資産税の税額は原則として固定資産税評価額の1.4%です。但し、都市計画区域内の住宅にはこれに上乗せして0.3%の都市計画税が徴収されることもあります。

固定資産税は、1月1日時点の固定資産台帳上の不動産所有者が納税義務者となります。従って、年の途中に住宅を売却した場合でも、その年の1年分の税金は売主である住宅の元所有者に対して課税されます。

このため住宅の売買契約の際に、売買があった年の固定資産税の一部買主である新所有者に負担させるような取り決めをすることが多くなっています。

固定資産税の減免措置について

平成32年3月31日までに新築された住宅については、新築から3年間(新築マンションについては5年間)は固定資産税の税率の2分の1が減免されます。

住宅の面積が50㎡以上280㎡以下で長期優良住宅の認定を受けている場合には、上記の免除を受けることができる期間が、新築住宅については5年間、新築マンションについては7年間と、それぞれ2年ずつ延長されます。

この他、住宅の敷地となっている土地については、面積が200㎡までは固定資産税の税率が6分の1、それ以上の部分については税率が3分の1になるという減免制度が設けられています。

空き家を所有していると固定資産税の負担が大きくなる

現に居住している住宅やその敷地に課税される固定資産税を負担することはやむを得ませんが、例えば、相続などによって取得した住宅が空き家となっている場合には、それに課税される固定資産税は大きな負担となります。

相続した空き家だと建築から長い時間が経過していると思いますので、新築住宅の固定資産税の特例は利用することはできないでしょう。従って、固定資産評価額が300万円の空き家住宅を保有していると、年間で300万円×1.4%=42,000円の固定資産税がかかります。

さらに、その敷地も相続した場合には敷地に対する固定資産税の支払いが必要になります。空き家なので、それ以外にも自分が現在住んでいる住宅やその敷地の固定資産税の支払も必要になります。相続した空き家の固定資産税の支払は非常に重いものになります。

そうすると空き家を相続した場合で、その空き家を利用する予定がない場合には、固定資産税の負担が重くなるので、早急に売却したほうが良いという話になります。固定資産税の支払いのほか、古い住宅には様々なメンテナンス費用がかかります。この意味からも、保有しておくよりも売却したほうが合理的であると言えます。

空き家に対する固定資産税の軽減措置の見直しについて

これまでは、空き家の敷地に課税される固定資産税には200㎡までは本来の税率の6分の1、それ以上の部分については本来の税率の3分の1にするという軽減措置が適用されてきました。

しかし、平成27年2月26日以降は、市町村が倒壊の恐れがある又は著しく景観を損なるなど問題ある空き家(特定空き家等)と認定された空き家の敷地については、この固定資産税の軽減措置が適用されないことになりしまた。

今後はますます利用する予定のない空き家を保有することに対する負担が重くなります。従って、空き家を相続した場合には、その家を「再利用」するか「売却」するかを早急に判断する必要が出てきます。

空き家と敷地が同一の所有者である場合、空き家を売却する際にはその敷地も設置で売却することが多くなります。その際に、敷地の上に空き家があると更地で売った時の価格よりも却って売却金額が少なくなることがあります。

そういった場合には、空き家を解体して土地のみを更地で売った方が合理的です。空き家の解体には普通は100万円~200万円の費用がかかりますが、一部の自治体では、その費用の一部または全部を補助してくれるところもあります。空き家所在地の自治体がそういった制度を設けている場合にはぜひ利用したいものです。

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