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不動産売却時、購入希望者からの要求が多い…こんなトラブルにはどこまで対応すべきか

マンションの売却

購入希望者が現れ、最初は順調に話が進んでいたとしても、途中から急に無茶な要求をされてしまうというケースは多々見受けられます。
それが原因で取引がスムーズに進まなくなってしまったときには、どのように対処することが正解で、どこまでの要求を飲むべきなのか、整理しながら考えておきましょう。

不動産売却時、購入希望者からの要求が多い…こんなトラブルにはどこまで対応すべきか

値下げ交渉にはどこまで応じるべきか

前提として、マンション売却においては極めて高い確率で値下げ交渉を持ち掛けられるということを覚えておきましょう。
契約前の値下げを見越し、敢えて少し高額な売却価格を付けておくということも、損をせずにマンションを売却するためには大切な要素です。
ここで重要になるのが、どこまでの値下げが常識の範囲内で、どこからが過剰と呼べるほどの要求になるのかという点でしょう。

常識的な値下げ幅としては、売り出し価格に付いている端数分、あるいは売り出し価格の3%前後までが上限と考えておきましょう。
例えば3,550万円で売りに出している物件の場合、3,500万円で購入したいという交渉を持ち掛けられるケースは少なくありません。
こういった交渉を持ち掛けられた場合には、まずは3,530万円など間を取りながら話し合いを行い、互いの妥協点を見つけるというのも交渉を有利に運ぶコツです。
逆に有料物件ならば販売価格の設定時に、こうした値下げ交渉を考えた値付けも有効かもしれません。

一方で「300万円安くしてほしい」「ローンの負担を減らしたいから500万円値引きしてほしい」といった要求をされることもありますが、これは明らかに過剰な要求です。
不人気物件の場合、このような無茶な値下げにも応じるべきか悩んでしまう売り主は大勢おられますが、ここまでの値引きに応じることはおすすめできません

足元を見るような交渉を受けたとしても、相手の言葉に乗るのではなく、不当な要求はきっぱりと断り、不動産業者と販売戦略を練り直しましょう。

購入希望者からリフォームを要求された場合の対処法

購入希望者が内覧に訪れると、物件を事細かに調べることが普通で、室内に潜んでいる何らかの問題に目を付けられてしまうことがあります。
例えば「トイレのリフォームをしてくれたら購入する」「タバコの臭いが気になるから明け渡し前にクリーニングしてほしい」といった要求を受けることは珍しくありません。
こういったリフォームに関連する要求を受けた場合には、購入希望者の主張にどこまでの妥当性があるのかを考え、要求に応じるか否かを決めましょう

基本的には、物件を売却する前に大掛かりなリフォームをする必要は全くありません
仮にトイレや浴室などの水回り一式のリフォームに応じてしまうと、実質的に200~300万円程度の値下げを受け入れることになりますから、これは常識の範囲外と考えるべきです。

大きなリフォームの要求には応じず、リフォームをしたい場合には購入後に自分自身で行うように求めましょう
リフォーム代金の折半を求められた場合には、物件の人気度合いやリフォームの正当性を客観的に判断し、不動産業者と相談しながら決断を下してください。

一方で要求に応じる必要性があるリフォームは、設備に生じている破損や故障の修繕や、汚れや傷みが目立つ壁紙の交換などです
特に設備が故障していることを告げずに売却を行った場合、売却後に瑕疵担保責任を問われる恐れがありますから、問題点は隠さずにすべて伝えることを心がけてください。

起こりやすいその他の金銭トラブル

それ以外の金銭トラブルとして起こりやすい問題としては、手付金の支払いを拒まれてしまうという事態も頻繁に起こっています。
マンション売買における手付金は数百万円に及ぶことが普通ですから、まとまった金額を決済前に行うことが難しいという購入希望者もおられるのです。
手付金の支払いは法的に考えれば絶対に必要なものではなく、こういった要求に応じるか否かは売り主が判断することになります

予定通りに取引が進めば問題ありませんが、もしも途中で購入をキャンセルされてしまった場合、手付金を回収することができなくなり、売却が振り出しに戻ってしまいます。
違約金を請求することは可能ですが、裁判に発展する可能性が高く、判決までにかかる日数を考慮すれば得策とは言えません。
こういったケースでは、購入希望者が支払える手付金の金額を聞き取りながら、双方で納得できる金額に定めた上で契約を結ぶことをおすすめします。

また、購入希望者が決済の日時を変更したいと主張してきた場合にも、要求をそのまま飲むのではなく冷静な判断を下しましょう。
売却を早めるとなれば、新居を選ぶ時間が短くなりますし、慌てて引越しの準備を行わなければなりません。
反対に売却日時を延ばすとなれば、その間に購入をキャンセルされてしまう確率も上がりますから、手付金や違約金などの条件についてしっかりと話し合いを済ませておきましょう。

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