大阪万博でどう変わる近畿圏でのマンション市場

マンションの売却

首都圏では2020年の東京オリンピック開催による不動産価格の高騰が話題ですが、近畿圏において注目すべきなのは2025年に開かれる大阪万博による需要増です。
大阪万博を機に、近畿圏のマンション市場ではどういった変化が起こる可能性を秘めているのか、具体的に予測しながら考えていきましょう。

大阪万博でどう変わる近畿圏でのマンション市場

インフラ整備が進む可能性も高まる

2025年の国際博覧会の開催地が大阪に決まり、これによって日本国内外からおよそ2800万人の入場者が訪れ、約2兆円の経済効果が生まれるとの予測が広がっています
ここまで大きな規模のイベントですから、開催地である大阪府を中心に様々な再開発事業が行われると考えられており、マンション相場にも大きな変動が起こることは必至です。
国際的な前例を見ても、大規模なイベントが開催される前にインフラ整備が進むことは珍しくなく、近畿圏のインフラに劇的な改良が加えられる可能性も高まっています。

特に万博開催の拠点となる夢洲は、2019年現在のところ交通整備が進んでいるとはお世辞にも言えず、大阪中心地からのアクセス向上は至上命題とも言えるでしょう。
既に大阪メトロは中央線の終点となるコスモスクエア駅を夢洲まで延伸するという計画を打ち出しており、利便性が高まることは火を見るよりも明らかです。
さらに、新設される駅には地上55階建てのタワービルに仕上げるという構想も持ち、大阪万博の開催跡地はレガシーとして今後も残り続けると期待されています。

終点までの延伸、そして新駅周辺の開発が進むことになれば、それに合わせてその他の駅もグレードアップするということは既定路線です。
インフラ整備が進めば、都市の魅力は更に向上することになりますし、大阪に向かう近畿圏のその他の県からの交通アクセスにも好影響が及ぶことでしょう。
大阪万博開催までにはまだ6年の猶予が残されていますから、再開発のために使える時間は十分にあり、さらに魅力的な構想が今後発表される可能性も大いにあります。

東京オリンピックによる影響からも学ぶべし

大阪万博の開催は、東京オリンピックに勝るとも劣らない好影響を及ぼすことになりますから、東京オリンピックによって実際に起きた影響を教訓として利用することもできます。
東京オリンピック関連施設の建設が決まると、まずは中心となる地域を筆頭に高層マンションが新設され、国内外の投資家からも高い注目を集めました。
オリンピック閉幕後にもスポーツ関連施設は残り、その後も魅力的なイベントの開催が見込まれるため、東京そのものの魅力度が上がった事実も無視できません。

まさにインフラの整備も行われており、大阪との共通項としては、地下鉄にあたる東京メトロ有楽町線の延伸や、JR山手線の新駅建設などの動きを最大の変化として挙げられます。
空の玄関口である羽田空港では、発着枠の拡大を通じて国内外からの受け入れ態勢を強化し、さらにビジネスや観光の拠点として利用しやすい街へと昇華させました。
また、新たな住宅街として知名度を高めている晴海と、東京の顔でもある銀座を結ぶバス輸送システムの構築なども進み、これも土地の価値を高める要因になっています。

その結果として、首都圏のマンション販売価格は大幅に上昇したという事実が残っており、現在も不動産販売価格の上昇傾向は続いています。
これらの状況を鑑みると、大阪を中心とした近畿圏においても首都圏と同様の不動産価格上昇が起こる可能性は十分にあり、売り主にとって有利な状況が生まれやすくなるでしょう。

特に高く売買されやすい地域

大阪市内においてこれまで人気の高かった地域と言えば、北区や福島区、中央区、西区、天王寺区、そして浪速区という合計6区の中にあるマンションでした。
これらの地域は大阪万博の開催によって更なる地価上昇を見込めますから、語弊を恐れずに言えば「放っておいても高くなる地域」として捉えても良い地区と言えるでしょう。

大阪万博の開催を機に値上がりするか否かの当落線上にある地区が、先に取り上げた6区を除く大阪市内の地域になります。
しかし、大阪万博開催の中心地となる此花区に関しては値上がりが確実視されており、問題となるのは此花区を除いた戸建て住宅が多い大阪市内の地区です。
此花区に高層マンション等が建設され、その人気が高いことが分かった場合には、その他の区にも波及効果があり、新築マンションの建設や売買価格増の見込みが増えてきます

大阪府を除いた近畿圏全体のマンション価格に関しては、どこまで上昇する結果となるのかは蓋を開けてみなければ分かりません。
ですが、京都府や兵庫県といった海外投資家からも注目されやすい地域に関しては、大阪府と同様に爆発的な相場の上昇が起こる可能性が高いと言えます。
東京オリンピック開催によって、近隣の神奈川県や千葉県、埼玉県などの評価も軒並み上昇していることを考えれば、近畿圏全体に好影響が及ぶ確率は決して低くないでしょう

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