不動産の豆知識…不動産会社は物件の売却にどんなお金をかけているの?

マンションの売却

不動産会社と仲介契約を結ぶと、不動産会社は契約を成立させるために様々な方法で物件の宣伝活動を行うことになりますが、ここでは当然広告費や運営費をかけることになります。
普段は表に出てくる話ではありませんが、実際のところ、不動産会社は物件の売却を完了させるまでにどの程度の経費をかけることが普通なのでしょうか

不動産会社は物件の売却にどんなお金をかけているの?

広告の種類によって費用は大きく異なる

不動産の宣伝方法には様々な形があり、広告の種類によって宣伝活動でかかる費用は大きく異なります。
極端な話ですが、飛び込んできたお客さんにオススメをすれば広告費は0円ですし、得意先への推薦であれば電話代だけで済んでしまいます

しかし実際にはそのように上手く売却が進むことなどほとんどありませんから、別の方法を使って宣伝を重ねていくことが普通です。

近年ではインターネットの情報サイトを見て物件を探す人が増えていますから、不動産情報サイトへの情報掲載はもはや必須と言えるでしょう。
情報サイトは、物件情報の掲載を行うだけで広告費を徴収するということはあまり無く、その代わりに問い合わせや売買が成立する度に報酬を請求しています。

世の中にある多くの一括査定サイトを無料で利用できる理由も、こういった事情に隠れているという訳です。
不動産会社としても、売買が確定して仲介手数料を確保した後に広告費を支払うという仕組みになるため、金銭的な無理が生じないというメリットがあります。

反対に、取引が成立しなかった場合にも広告費の支払いを行わなければならないケースもあり、その代表例がチラシの配布です。
自宅のポストに投函されることが多い不動産の広告チラシですが、印刷からポスティングの依頼までの全ての費用を不動産会社が負担することになります。
仮に1000枚の広告を配布するということになれば、この際にかかる合計の費用は10,000円前後になることが多いようです。

新聞の折り込みチラシに広告を掲載することもありますが、これにはポスティングとは比較にならないほど高額な広告費が必要です。
そのため、1軒のみの広告を出すということは基本的になく、他の物件と合同にするような形で大きな広告を作り、宣伝することになります。

直接接客する場合には接待費も必要になる

購入を検討している人物を招き、物件の紹介を場合には、その人物をもてなして現地まで案内する接待費も当然必要になります。
お茶を出すことはもちろんですが、貴重な営業時間を使って接客を行うため、従業員の人件費もここで割かなければなりません。

現地に案内する場合には、事務所から車を出して現地まで向かうことになりますから、ここでもガソリン代や、場所によっては駐車代を用意することになります。
月々や年単位の維持費という単位で話を進めれば、自動車の保有にかかる税金などの費用も、不動産売却のためにかかる必要経費の一部として捉えることができます。
そのため、継続的に不動産会社としての営業を行っていく上では、資本が整った大手不動産会社のほうが有利になりやすいこともまた事実です。

原則としてすべての費用を不動産会社が負担する

こういった名目でかかる費用のすべては、原則として不動産会社が負担することになりますから、依頼した売り主に請求が届くことはありません。
どの物件をどのような方法で宣伝するかという点に関しては、基本的に不動産会社側の判断で決められることになります。
売り主は「この方法で宣伝してほしい」とリクエストすることはできますが、その希望が必ずしも反映されるとは限らないということを知っておく必要があるでしょう。

不動産会社側としては、様々なコストをかけて物件の宣伝を行うのですから、売買成立を目指して一生懸命な営業活動を行います。
仮に売買が成立せずに契約を切られてしまうとすれば、それまでにかけた費用はすべて水の泡になるので、売り主の味方として精力的な活動を期待することができるのです。

例外的に広告費等の請求が行われることも

ただし、例外として売り主に対して広告費等の請求が行われることもあります。
例えば売り主の希望で不動産会社のスタッフが遠方に売買の交渉へと出かけた場合、ここでかかる交通費等の請求を別途行うというケースはよく見受けられます
しかし、これはあくまでも売り主が希望し、別途料金が請求されることを承諾した場合にのみ支払い義務が発生するお金であり、そうでなければ請求に応じる必要はありません。

また、媒介契約の期間は3ヶ月間となっていますから、不動産会社に落ち度が無いにも関わらず、この契約期間を縮めることも不可能です。
仮に一方的に契約解除を要求するとなれば、その日までにかかった広告費等が個別に請求されることがあり、この場合にも支払いの義務が生じる場合があるため注意しましょう。

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